September 30, 2008

銀行の言うことは・・・

 あるメルマガで読んだのですが・・・
・厳しい環境の中、何とか利益をあげることができた会社がありました。
・取引銀行の行員が、「社長、これを機に決算書の膿を全部出してしまいましょう」と、
・社長はその気になり赤字決算にし、一旦、手形貸付を返済
・翌期に資金手当てが必要になり、取引銀行に融資の申し込み
・待てど暮らせど担当からは電話が無い
・思い余って銀行へ訪問、上司が応対して繰越損失が発生しているので融資ができないと言われた

といった内容なのですが、これを読んである事を感じました。
まあ、大筋ではありがちな話ですが・・・
例えば、2期連続で赤字を出した場合などは、債務者区分は「要注意先」に区分される可能性が高くなります。この場合、売掛金の架空計上や倒産した企業の投資有価証券がないか、不良在庫の存在・架空在庫の計上など詳しく精査される事になります。

 もしあったらどうなるか・・・

その時は、追加融資は受けられなくなる可能性が高くなります。というのも、銀行は許認可業種であり金融庁の検査マニュアルに従って検査を行い、債務者区分に応じた貸し倒れ引当金を積む事を求められます。貸し増しした瞬間に大きな割合の引当金を積む必要のある融資を実行することは不可能です。銀行の経営が悪化し自己資本比率が少なくなると早期是正措置が出されます。貸したくても貸せなくなるわけです。

この事を防ぐために、決算書の○○と○○と○○を確認してある事をします。

粉飾ではないのですが、ネット上に公開するのもどうかと思うので伏字にしています。ヒントは、
・税理士さんは節税の指導をされる方が多い
・同族企業には留保金課税があります

実際は税理士さんが普段指導されているであろう事とは逆のことをやるのですが・・・
何をやればいいのか、皆さん考えてみてください。

採用の際に考えること・・・設計図は作っていますか?

 先日、ある機械メーカーの社長とお話しました。その会社が対象としている市場はそれほど大きくなく、また顧客である製造業は生産の海外移転を進めているそうです。売上がジリ貧状態にある中で、社員の定着率もあまりよくなく、求人誌などに掲載する際の採用コストも負担になっているということでした。
 私たちが支援する際、その会社の競争環境と会社の方向性を確認させて頂いております。3〜5年後の会社の「ありたい姿」からブレイクダウンしていき、組織単位ごとの仕事、組織構成メンバーの役割、社員個々人に必要とされる能力について検討を行ないます。こうした作業を当事務所では設計するという表現でお話をさせていただくことがあります。
 先の機械メーカーは、競争環境の中での自社のポジションを考えると、競争劣後にあると考えられます。人事戦略を立てる前に経営戦略をきちんと立案することが必要になります。また、実行力も問われます。採用、育成の方向性が良い方向に回り始めれば組織全体の実行力は向上していきます。必要とする人の要件を明確にし、面接ではこの要件を測定できる質問を展開していくことになります。
 よく言われることですが、家やビルを建てる際は、設計図面をきちんと作成してから建設を行います。会社の組織をつくるには、構成メンバーが必要になります。制度設計を行わずに面接、採用と手順を進めることは、図面をひかずにビルを建設するようなものです。


ドリームゲート

 朝起きたらものすごい勢いで円高が進んでいました。NYの株価も史上最大の下げ幅だとか・・・日本の失業率も上昇し、世界的な景気後退懸念が現実のものとなっています。今後の地域経済の事を考えて、朝から気分が重くなっています・・・


ここで皆様に報告です。
平成20年11月より、ドリームゲートの登録アドバイザーを勤める予定です。日本は、開廃業率の逆転が定着しておりますが、地域経済の活性化を図っていくためには、起業家の方をきちんと支援しなくてはと考え、アドバイザーになる事に致しました。


 で、9月28日〜29日まで、アドバイザー研修のため、大阪に出かけて行ったのですが、地元にくすぶっていてはいけないというか、県外に出ていくとすばらしい方が沢山いらっしゃる事を実感しました。(熊本にもすばらしい方はいらっしゃいます、念の為・・・)良い刺激を沢山受けました。今後の自身の仕事にも生かしていきたいと考えています。

September 21, 2008

採用について考える Part1

 今日は日曜日ですが、事務所に出社しているため、投稿したいと思います。今日、熊本市では藤崎宮大祭というお祭りがありました。当所は、そのお祭りに参加する人たちが行進する並木坂の通り沿いにありますので、毎年この時期になると騒がしくて仕事が出来ません。といっても迷惑ということではなく、仕事よりも楽しいことがあるのに・・・、という心境になって仕事がはかどらないのですが・・・。事務的な仕事がたまっているのに、朝から行くとふらふらと祭りの見物に出かけて、結局何もできなかったという事になるに違いない、だから夕方から出勤しよう、ということで午後7時に出てまいりました。おかげで今日予定していたことは殆ど完了しました。
 さてさて、今日は、顧問先の来年の新卒採用方針などの確認をしていたのですが、感じたこととしては、面接時の質問技法として説明していることを現場での教育にも活用しているところがあり、その様な会社は、景気が停滞する中で業績の向上を実現しているところが多いということです。
 当事務所が採用にあたっての基本方針を説明する言葉に「一事が万事、2度あることは3度ある。3度目の正直という言葉は成り立ちません。」というのがあります。これはどういった事かと言うと、人というのは躓く時はかならず同じような躓き方をする、というものです。会社は、業績の向上に貢献できる人物であることを期待して採用を決めます。しかしながら、色々な会社でお話をうかがう中で、そう判断した根拠が不明確なものが多いと感じるのも事実です。
 これから先しばらくは、採用面接をテーマに記事を投稿していきたいと思います。

 明日から、またよろしくお願い致します。

September 18, 2008

新規事業を行なう場合でもらえる助成金の金額

 中小企業が行なっている事業分野の停滞や中央と地方の格差などから、私が営業を行なっている熊本・福岡県もここ最近は閉塞感が漂っています。一方で、こういった停滞を打破すべく積極的な事業展開を行なっておられる会社もあり、当事務所でも「新分野進出の際にもらえる助成金はありますか?」といった質問も受けます。ここでは、新会社を設立することにより新分野進出を行なう場合について考えてみたいと思います。

【事例】
今まで食品製造業を行なっていなかった企業が食品製造業に進出する場合

会社設立、設備投資、広告宣伝等にかかる経費合計 ⇒ 15,000千円
社員の雇い入れ ⇒ 10人(年収2,500千円×10人=25,000千円)
法定福利費 ⇒ 約3,000千円
水光熱費等、助成金対象外の経費 ⇒ 10,000千円

 大雑把な数字ですが、そのあたりはご勘弁を・・・

 新分野進出に際し、初年度の投資・経費合計額は、約53,000千円です。この数字に役員報酬は含んでいませんので、役員報酬を出す場合はもう少しかかることになります。
 この条件でもらえる助成金の金額を計算すると・・・

新分野進出にかかわる設備・経費等の助成 ⇒ 5,000千円
雇い入れ奨励金 ⇒ 300千円×10人=3,000千円
合計 ⇒ 8,000千円


 もし、生産管理の専門職や係長クラスの採用が必要な場合で、基盤人材助成金の対象になるのであれば、中小企業基盤人材助成金の支給申請を行なった方が良いかもしれません。その場合の最大支給額は、

新分野進出にかかわる設備・経費等の助成 ⇒ 5,000千円
中小企業基盤人材確保助成金 ⇒ 12,500千円
合計 ⇒ 17,500千円

となります。この場合は、人件費の負担が増えることになりますので、経費総額も増加することになります。