September 30, 2008

採用の際に考えること・・・設計図は作っていますか?

 先日、ある機械メーカーの社長とお話しました。その会社が対象としている市場はそれほど大きくなく、また顧客である製造業は生産の海外移転を進めているそうです。売上がジリ貧状態にある中で、社員の定着率もあまりよくなく、求人誌などに掲載する際の採用コストも負担になっているということでした。
 私たちが支援する際、その会社の競争環境と会社の方向性を確認させて頂いております。3〜5年後の会社の「ありたい姿」からブレイクダウンしていき、組織単位ごとの仕事、組織構成メンバーの役割、社員個々人に必要とされる能力について検討を行ないます。こうした作業を当事務所では設計するという表現でお話をさせていただくことがあります。
 先の機械メーカーは、競争環境の中での自社のポジションを考えると、競争劣後にあると考えられます。人事戦略を立てる前に経営戦略をきちんと立案することが必要になります。また、実行力も問われます。採用、育成の方向性が良い方向に回り始めれば組織全体の実行力は向上していきます。必要とする人の要件を明確にし、面接ではこの要件を測定できる質問を展開していくことになります。
 よく言われることですが、家やビルを建てる際は、設計図面をきちんと作成してから建設を行います。会社の組織をつくるには、構成メンバーが必要になります。制度設計を行わずに面接、採用と手順を進めることは、図面をひかずにビルを建設するようなものです。


Posted by firm at 22:31:00 | from category: 人事についての考え方 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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